英語表記を統一化 奄美の自然約350種 あまみ大島観光物産連盟

2023年09月27日

社会・経済 

奄美の生き物や植物など約350種の英語資料の監修をしたあまみ大島観光物産連盟理事の杉岡秋美さん(左)と自然写真家の常田守さん=26日、奄美市名瀬

奄美大島5市町村と民間事業者175社で組織する一般社団法人あまみ大島観光物産連盟(有村修一会長)は、奄美の生き物や植物など約350種の英語資料を作成し、エコツアーガイドや通訳案内士ら関係者に配布を始めた。これまで乱立していた用語や解説を見直したもので、外国人観光客への分かりやすい情報提供に一役買う。

 

同連盟が2022年度の観光庁の支援事業も活用し、約1年かけて作成した。同庁から派遣された専門人材が来島し、龍郷町の国立公園第1種特別地域にある「奄美自然観察の森」や宇検村と大和村の村境界に位置し国立公園特別保護地区の「湯湾岳」など代表的な自然観光地を訪れ、外国人目線で解説文を記し、同行した地元の専門家ら5人が監修した。

 

観光庁から派遣された専門家と作成した国の天然記念物ルリカケスの紹介ページ(写真は常田守さん撮影)

名称の英語表記は、奄美市住用町の奄美大島世界遺産センターや世界遺産推薦書の英語名を基本とし、学術書やインターネット上の表現なども参考に決定。例えば国の天然記念物ルリカケスは、奄美群島の固有種であり「Amami jay(アマミジェイ)」を採用した。これまで「Lidth,s jay」やラテン語の学名で紹介されることもあった。

 

監修した同連盟理事で通訳案内士の杉岡秋美さん(70)と自然写真家の常田守さん(70)は「世界自然遺産の島へのインバウンド観光の一つのインフラを作った」「外国人観光客も増え多様化している。英語ではっきり伝わる資料となった」と話し、活用を期待した。掲載種は奄美全体の1割弱に過ぎないが、代表種はカバーされているという。写真の多くは常田さんが提供した。

 

配布対象は、エコツアーガイドと通訳案内士、自治体および公的機関、奄美大島観光関連業者のほか、同連盟が適当と認めた者。申し込み、問い合わせはメールinfo@amamiguide.co.jp杉岡さんへ。